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「ごめんねぇ、いつもは孫がいてくれるんだけど今日は居なくてねぇ」
「そうなんですか、じゃあここを渡るまでは傍にいますね」
これは流石にマスターも許してくれるでしょう。
流石にこのままおばあちゃんを放っておくのも忍びないです。
「そうなんだよねぇ、あの子いったいどこ行っちゃったんだろうねぇ」
「お孫さんはおいくつなんですか?」
「たしか17歳だっけねぇ、まだまだ若い盛りだからねぇ」
「へー、17歳。それは確かに若いですね」
「そうじゃろ?自慢の孫なんじゃよ」
他愛のない会話を繰り返しながら信号が赤に変わるをの待つ。
一応この会話もログに残しておいたほうが良いでしょうか。
また会ったときに話せますし、一応保留にしておきましょう。
「そろそろ信号変わりますよ、行きましょうねおばあちゃん」
「そうじゃの、行くとしようか」
信号をそのまま渡り、なんとか向こう側まで渡したらお別れです。
まぁそのうちいつか会える日もあるかもしれません。
「それじゃおばあちゃん、私は行きますから信号には気を付けて、おばあちゃん?」
そう言って去ろうとするとおばあちゃんはその場でぽろぽろと涙を流し始めました。
待ってください、なんでそこで泣くんですかちょっと困りますよ?
「そうじゃぁ、儂の孫はもうおらんかったのだわ」
「おらんかったって、何かあったんですか?」
「亡くなったんじゃよ、事故でな」
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