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「はーい、今行きます」
先輩をスルーし扉を開けるとそこには見知った顔ぶれが二人。
「こんにちは蓮、今編集中?」
「まぁね、ついでに先輩の御守り中」
「難儀な事してんな蓮も、今度家に除霊にでも来るか?」
「それは考えておくよ伊吹」
長い黒髪を靡かせたモデルかと思う少女、東雲宮子。
逆立てた髪が特徴の大柄な少年、伊吹翔。
二人とも友達で偶にこうして様子を見に来てくれる大事な親友だった。
「それでどうしたの?二人とも自分の部活はあったんじゃない?」
「写真部は自由よ、作品提出すればいいからね」
「文芸部も同じくだな、まぁこっちは徹夜作業がきついんだが」
「まぁ自由時間はそこそこあるし、これは蓮に見てもらおうかなって思ったの」
そう言うと東雲はスカートのポケットからスマホを取り出しあるモノを見せた。
「動画サイト?」
思わず構えていた気概はあっけなく霧散した、何処にでもある動画サイトだ。
東雲や伊吹も当然見るだろうし、エイケンでも上げるために何個かサイトを跨いでいる、そのうちの一つだ。
「そう、ここに乗っている動画を蓮や部長さんに見て欲しくてね」
「一応言っとくが本物だと思うぜこれ」
未だに二人がそう言う理由が分からないが、とりあえず入り口で立たせたまんまなのも問題だ。
椅子なら余っているし作業疲れもある、少し休憩がてら見て見よう。
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