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部屋の番号は621番、この辺りでは大きなデイリーマンションらしく、短い間出張しに来た人から家族連れの人向けのために安価で大きな部屋を提供しているみたいで、利用者からの評価も上々のものだった。
そんな事前情報を裏付けるかのように、僕たちに用意された部屋は大きなものだった。
小さいとはいえ個室が三つにキッチンが見えるリビング、それとベランダ付き、シャワールームではなくお風呂や洗濯機までいろいろ揃っているんだから本当に驚かされる。
口コミにあった「ずっとここに住んでいたいでござる」というのも納得できる、それほどまでにここの部屋は快適だった。
「見ろよ蓮! すげーぜWi-Fi通ってる、しかも早え!! 」
「この辺のスーパーは、え四件もあるの? うわしかも全部専門店みたいだし、ふふこれは腕が鳴るな」
伊吹と宮古は早速部屋の設備や回線、それに近くのスーパーなどを確認し始めていた。
それはそれで楽しそうだけど言い出しっぺの二人が今回の趣旨を忘れないでほしい。
とはいえ三時を過ぎるまではまだ時間がある、僕も少しだけ休んでから第一高校での情報収集を考えるとしよう。
「それじゃ僕は一番奥の部屋を借りるね」
「なら私はキッチンに近い方にする」
「残った俺は間ね、オッケーだぜ」
僕たちの部屋も三畳半はあって、数日暮らす分にはちょうどいい大きさだ。
背負った荷物を床に落としたら、少しだけベッドに腰かけて体を休めるのだった。
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