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そんな風に思い思いでゆっくりと過ごしていたら時間は三時を過ぎていた。
待っている間にスマホで第一高校の場所を調べていたらここからは歩いて十五分ほどかかるらしい。
となればもうそろそろ動いた方がいいかな。
「東雲、伊吹、そろそろ行こう」
「お、もうそんな時間か。シノは用意いいか?」
「こっちも大丈夫、すぐに出られるよ」
東雲はカーディガンとワンピース、伊吹は動きやすいようにジーパンと薄紫のシャツ、二人も二人で準備万端なようだ、
僕もコートと長ズボンで用意は出来てるしすぐ動く事はできる。
三人で玄関を出たところで、僕がその鍵を預かることにした。
「あ、鍵は念のため僕が持っておくよ。伊吹も東雲も行きたいところとかあるでしょ?」
「確かにあるけどよ、蓮はいいのか?」
「そうだよ、なんか私達に気を使ってない?」
「そんな事ないよ、どっちか帰ってきてもらったときに変わってもらうから」
「それならまぁ、良いけどよ」
伊吹だと本職の都合で帰りが遅くなることもあるだろうし、東雲か僕なら夜まで歩き回ることは無い。
そして東雲はスーパーに興味津々だったから僕が開けて待っていれば良い。
その後で僕も回ってみればいいだけ、優先順位の差でしかない。
伊吹から鍵を受け取ってそれを財布の中に閉まったらもう後は行くだけだ。
「よし、そんじゃ行こうぜ!未希先第一高校へ!」
伊吹の号令と共に僕たちもそこへ向かって歩き出す。
未希先第一高校に待っているのがどんな人なのかはまだ分からない。
だけどだからこそ、僕たちはそういうのに惹かれるのかもしれない。
興味のため、霊のため、当人を止めるため。
それぞれの思いを胸に僕たちは向かうのだった。
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