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今回は目的があるから観光は控えめに、ナビに従って目的地へ急ぐ。
そうして辿り着いた僕たちを待っていたのは門をくぐったところに大きく咲いている桜の木と下校中の生徒を放出する広めの校門、そして挑む者を圧倒するほど大きな校舎だった。
「で、でっけー……ここ本当に高校のサイズかよ」
「僕たちの高校も大きい方だけどこれは、さすがに規模が違うね」
「あぁ、中高一貫だって言っても俺は信じられるぜ」
校門から見るだけでも4階建ての学び舎が長く続いているし、廊下はそのまま体育館まで直結している。
その上部活も盛んに行われているのか、陸上部らしき人達の掛け声やテニスのラケットがボールを打ち返す音まで聞こえてくる。
流石に文化部らしき人影はここからは見れないけどきっと四階辺りが教室兼部室なんだろう、でなきゃいくら何でも空き教室が多すぎるし、先生も管理しきれないはずだ。
「ここにいるんだよね、あの動画を取った人が」
「かもしれないね、とりあえず話を聞いてみようか」
そうして帰る生徒の1人に声をかけようとした所で伊吹が不意に停止した。
「伊吹? 」
「しっ、何か聞こえてくんだよな」
疑問を静止して伊吹は校舎から別の方に目を向ける。
そこには誰も居ないし、電柱すら無い場所だけど伊吹はそこから目を離そうとしない。
「悪い蓮、学校の方任せていいか? 」
しばらくそっちを見ていた伊吹は突然そう言い出した。
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