EPISODE-3 Here comes a new teacher    生徒と不良と新任教師

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 「な、なにを……」  「今日先生と調べたの。渡守さんのテストの結果が変だったし、それで思ったんだ。渡守さんは悪く思われるためにああしたんじゃないかって」  「本当にそう思ってんのかよ、あれがアタシの実力さ。今までのは、そうお前のをカンニングしてたんだよ。そうとも知らずに」  そうまで口にしたところで、アイツの手がアタシの頬に触れ、慈しむような動きでアタシに目を合わせてくる。  「もう辞めなよ、そんな嘘つくのらしくないよ……」  「なにが、らしくねぇってんだよ……」  「渡守さん、本当は真面目だし今回のだって何か理由があったんだよね?」  「んな訳……」  「じゃあ今までのも全部嘘?今日まで頑張って、何度も嬉しくなったのも嘘なの?」  「それは……」  否定できない、否定しなきゃならないのにそれが出来ない。  その度にコイツが笑う顔がチラつく、嘲笑でも侮蔑でもない、心から喜んで、誰かと喜びを分かち合うような笑み。  その中にはアタシもいて、確かにそれは嬉しくもあった。  だから、そんな些細なことにさえ喜ぶコイツをアタシは、否定できない。  でも、なら、いったいどうしたらいい?  この心の中のぐちゃぐちゃしたものを、どうやって吐き出したらいいんだ。
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