EPISODE−3 Here comes a new teacher    生徒と不良と新任教師

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 「渡守さん、本当のことを話して。私は何があっても味方だから」  「信じられるかよ……」  「私も渡守さんを信じる。だから渡守さんも私を信じて欲しい」  真っ直ぐで曇りの無い瞳、どこまでも見透かされるような透明なそれに見据えられて、遂にアタシの心は決壊した。  「馬鹿野郎、アタシがどれだけ、どれだけ悩んで、こうしたと思ってんだよ。お前が嫌えばそれで済むんだよ!なのに、なんで受け止めようとするんだよ!!」  「渡守さんのこと、少しでも知りたいから」  「それが嫌なんだよ!!!アタシのことなんて知ろうとするな!こんな、穢れた血が詰まった肉袋のことなんて、知ってどうなるってんだよ!!」  「そんなことない。例えそうだとしても、渡守さんはそれをここまで耐えてきたんだから、強い人だよ」  「やめろ!アタシに希望を見せんな!!アタシに手を伸ばすんじゃねぇ!!んなもん見せられたら、アタシだって欲しくなっちまうじゃねぇか!!」  「欲しがればいいんだよ。その権利は平等なんだから、それが辛いなら私も手伝うから」  叫び声とともに放たれる絶望とどうにもならなかった過去、それらを全て投げうってもアイツは全部纏めて返してくる。  まるでキャッチボールだ、傷ついたボール()を受け止めて、包装して投げ返す。  そんな行為をしたことも無かったし、受け止めてくれる相手もいなかった。  だから、一度吐き出した投球(懺悔)は止まらない。  なのにアイツは律儀に受け止めて、投げ返してくれる。  そうでもいいのだと、言ってくれる。 
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