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今日も今日とて起動状態は良好そのもの。
頭のてっぺんからつま先までなに一つ不具合は無く、お仕事上がりの私は上機嫌で事務所のドアを開けるのでした。
「マスター戻りました、明日の予定はどうなってますか?」
「あぁお帰り藍野、こっちは暫く休みになる予定だな」
「えー、それじゃ私暇になるじゃないですかー」
「まぁそうなるな」
「そうなるなで済まさないでくださいよー、なんかお仕事見つけてください、じゃないとバッテリーを浪費するだけなんですから」
ぶつくさ文句を言いながら私は傍にあるお客さん用のソファーに座る。
依頼主さんも言ってたけど私はアンドロイドだ、人間を手助けすることでその存在意義を満たせる。
なのにこの前の依頼以降マスターは「しばらく金には困らねぇから依頼少なくしとくぞ」なんて言うから私的には暇を持て余してるんです。
マスターが構ってくれるわけでもないですし、もうこの後はご飯作るだけですし、寝て過ごすみたいなことは流石に自堕落すぎてやりたくないですし。
「お仕事ねぇ、まぁ簡単なのなら目を付けておくが」
「お願いしますよ、今回のだって1週間ぶりの仕事だったんですから」
「まぁ俺はここが存続出来てるなら何でもいいんだがな」
「ふーんだ、それならこの前の依頼金浪費しましょうか?確かまだ三千八百万はありますよね」
「おい馬鹿やめろ、半分はここの家賃に充ててんだよ」
まぁこれだけお金があったら仕事が無くても困りませんもん。
それにマスターも自分のやるべきことをするって言ってましたし。
ですけどその間私は放置なんですよ、寂しいじゃないですか。
そんな事をふと考えていたら突如スマホが鳴りました。
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