夏希side

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ちょうど、右の首と鎖骨の間の 窪の辺りに口付けてくる パーカー…でも、ギリ隠せないか バイトで…見付かるかな 制服なら隠れるか… バレたら注意されるかもな でも… チュッ チュッ ヂュッ それで、何百分の一か何千分の一かは知らないけど お前の心配しなきゃなんない事 ほんの少しは減るんだろ? 「…っはぁ~…出来た。へへっ…」 「上手く付けれた?」 「……ムカつく!何でお前ダメージ0なんだよ?!」 「雪じゃないからだな。これで空閑に会っても安心?」 「…安心なんて出来るもんか!あんな奴、俺が夏の隣に居たって心配だわ!」 「…っそ。じゃ、どうしたらいいの?」 「…………」 お、黙った 苛め過ぎたか? 「……にも…」 「え?何?」 「ここにもここにもここにもここにも、あいつがヤキモチ妬く位、いっぱい付けてやる!」 なんか…怖いんですけど… 「空閑が…ヤキモチ妬くって……えっと…雪に?」 「当たり前だろ!ふざけてんのか?!」 そうだよ 空閑は、ふざけてるだけだって言ってんだろ 「いや…空閑が雪に妬くかは知らないけど…まあ…雪の好きにすれば?」 「好きにする!」 「ふっ…」 「笑うな!」 だって嬉しいよ 今、自分の顔の事なんて気にしてないだろ? 今、死にたいなんて思ってないだろ? 空閑にヤキモチ妬かせるって 必死になってキスマーク付けて その理由が俺なんだから 「ふっ…雪、頑張ってる」 「うるさい!」 頑張って生きてる 嬉しい 「はぁっ…はぁっ…ちょっと……やり過ぎたかも……って、夏!寝てんの?!」 「…あ?寝てた…びっくりした」 「びっくりすんのは、こっちだよ!キスマーク付けられてて寝る?!」 「雪の髪の匂い嗅いでたら…寝てたんだな」 「出た!変態!お前のその、くすぐったがらないの、少しは俺に分けろ!」 「やだよ。雪はそれがいいんだから」 その反応が可愛いんじゃん 「それがいいって何だよ!それ以外のとこのがいいわ!」 「ぶっ…!くっくっ…どんなとこ?」 「えっ?えっと…だから……とにかく!くすぐったいとこなんて、いいとこじゃない!」 「いいとこだよ。彼氏がいいとこだって褒めてんだから、素直に喜べよ」 「なっ…?!かっ…彼氏とか言うな!」 「はあ?何だよ今更」 「こんな間近で…そっ…そんな顔で言うな!」 顔真っ赤 自分だって彼氏、散々やってきたろうに 「雪って、彼女にあんまり、こういう事言わないの?」 「なっ?はっ?…しっ…知らない!忘れた!」 「都合良く忘れる頭だな」 「うるさい!変態は黙れ!俺は、夏みたいにヤラシイ彼氏じゃないんだ!」 「ヤラシイ彼氏って何だよ?好きな子には、誰だって色んな事、したくなるだろ?」 「いっ…色んな…事って…?」 あの雪が… こんなんで茹でダコだ ゆっくりと起き上がると 「…なっ…な、何?」 俺から後退る そのまま、ゆっくり雪を押し倒してみる 「なっ…夏…?」 怖がってる感じじゃないと思う 多分…恋人として期待してくれてんだと思う けど… 雪の横から軽くキスをして離れる あの時の雪がチラつく 「…夏?」 「な~に期待してんの?キス以上はしないって言ったろ?」 「きっ…期待なんてしてない!変態夏が、何かしたそうだったから!」 「はいはい。起きて、朝ごはん食べよ」 「……朝ごはん、要らない」 は? 何拗ねてんの、こいつ? 欲求不満? 「何?何拗ねてんの?」 「拗ねてない!」 「じゃ、ご飯食べろよ」 「やだ!」 幼稚園児か! 「ご飯食べないで、どうすんの」 「……夏が…バイト行くまで、一緒に寝てる」 「……え?」 「…ダメ?」 いや... 何その突然のツンデレ! …じゃなくて 「雪…昨日何かあったのか?」 「…別に?」 なんか… 分かんないままバイト行くの すげぇ不安なんだけど 「雪…俺、バイト行きたくなくなっちゃうんですけど…」 「えっ?あ…何かあったって程の事じゃなくて…」 根が…優しくて、いい加減じゃない奴だから… 俺が、バイト行かないなんて言うと すぐ白状する 「でも、何か気になる事あったんだろ?」 「気になる事って言うか…その……やっぱり自分の事許せなくて……どうしたらいいか分かんなくなるって言うか……」 「そっか。じゃ、リセット」 「…リセット?」 「また、あさってまで生きよう?」 「あさってまで…」 「うん。あさってだよ。先の事分かんないけど、色々あるかもしれないけど、あさってまでは、俺の傍で生きててよ」 「……うん」 こんなやり方しか分からないけど… 雪が生きてていいって思えるなら 何でもいい 「雪…バイトまで一緒に寝よ?」 「……うん」 雪と抱き合って、一緒に寝る 「雪、今日まで頑張ってくれて、ありがとう。あさってまで、また頑張ろうね」 「……うん……夏……」 「ん?」 「昨日…白峰さん…イチゴ持って来てくれて…傷見られちゃった」 「あ~…びっくりしてた?」 うわぁ… もし、父親なら、びっくりどころじゃないぞ? 父親じゃなくても、かなりの驚きだろうけど ってか… このタイミングで白峰さんの話するって… 雪…何か感じてる? 「びっくりして、心配して、冷蔵庫まで運んでくれて、シチューまで分けてくれた」 「え?そうなの?」 「うん…学生2人で、ここに住めるって凄いねって言ってて…旭陽さんの話から母さんの話になって…」 え… 「母さん亡くなったんだって言ったら…ごめんね、ごめんねって…俺を抱き締めてきた」 そ…れは… もう…確定じゃないか? ってか… そうだとしたら、白峰さん、そんなタイミングでおばさん亡くなった事、知ったんじゃ… 「そう…優しいね」 「うん…頭撫でてくれて…兄ちゃんとか、父さんとか居たら…こんな感じかなって…思った」 「…そっか」 気持ち…分かるけど… 白峰さん… 雪は、まだ知らないんだよ 「…夏…ヤキモチ…妬いた?」 「え?…そうだなぁ…白峰さん格好いいからなぁ」 「……でしょ?……少しは…俺の……気持ち……」 「…雪?」 寝た 雪… 父さんとか居たら…って…… それ…多分… 本物だよ
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