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雪side
ん…寝た
「ふぁ~…」
毎日寝過ぎだ
何時?
6:30
また、暇な1日の始まりだ
ホワイトボードには
昼からバイト
じゃあ夏は、ゆっくりだな
洗面所に行く
ん~…
だいぶ色薄くなってきた
この傷は
絆創膏貼ってじゃ、ダメかなぁ
手は…もう綺麗だ
背中…んしょっ…
うん、だいぶ良くなってるじゃん
あっ…
背中!
夏の背中見るの忘れてた!
そ~っと夏の部屋のドアを開ける
よく寝てるな
ってか、なんでそんな壁にくっ付いてんの?
まあ、いいや
ちょうどこっちに背中向けてくれてる
夏…結構すぐ起きるからな
そ~っと布団を剥いで
よし、寝てる
シャツの裾を持って
そ~っと...そ~っと...
腰見えてきた
なんか…俺、変態?
そ~っと...そ~っと...
あ…
下になってる部分が…
捲れない
しょうがない
こっち側だけ捲って
シャツの中を覗き込む
覗き込んだ夏の背中は…
「…はっ……っ…えっ…?」
これ…
これ…全部…
俺?
ちょっと…
少し無理矢理シャツを引っ張る
「…はっ…」
背中中に傷…
よく見ると腰にも痕が…
「…~っ!」
これ…
俺が…
夏…何も言わないで……
ゆっくりシャツを下げて
後ろから夏に抱き付く
ごめん…
言ったら…
俺がああなった時困ると思った?
夏…抱き付いてる時も…全然…
毎回…あの後きっと…凄く痛かった
シャワーなんて浴びたら…
「…っ!」
ごめん…夏
「…くる…し…」
「あ、ごめん」
思わず力いっぱい抱き締めてた
「雪?」
夏が…まだ少し寝惚けながら、チラッと振り向いた
「どうした?」
こっちを向こうとしたけど
こっち見たら、また俺の心配始まるから
「雪?大丈夫?怖い夢見た?」
向かなくても…始まっちゃってるけど…
「……見てない」
いつも俺の心配ばっか
自分の事なんて忘れてるみたいに
夏を抱き締めてる手の上から
夏が握ってきた
「どうした?」
なんで、そんな優しいんだよ
お前の背中、とんでもない事になってるぞ
1回位…少し位…
そんな事位…言えよ
「雪。何言っても怒らないから言ってみろ」
自分にも優しくなってよ…
「~~っ!…夏…」
「うん?」
なんで、うん?だけで…
優しさ伝わってくるの?
「…ごめんなさいっ…」
「なんで謝るの?」
なんでって…
なんで怒んないんだよ
「…っ……うっ…ごめんっ…」
「雪、そっち向きたい」
手を緩めると、夏がこっちを向いて
夏の胸に…抱き寄せてくれた
違う…
俺じゃなくて…夏なんだ
「雪?何があったのか話せる?話せなかったらいいよ。どうして欲しいか言って?」
「…うっ…うっ……っっ…夏っ…ごめんっ…」
「うん。いいよ」
いいよじゃないよ
まだ何も言ってないじゃん
「…夏っ…のっ…~~っ背中っ…うっ…」
「…俺の背中?」
「…っ…うっ…俺のっ…せいで!…傷っ…ごめんっ…」
「そんなの、たいした事ないよ」
どこが!
縦、横、斜め
色んな方向の
色んな深さの
色んな長さの
俺がっ…傷付けた
「~っっ…夏っ……今度からっ……逃げてっ…」
「ふっ…逃げれる訳ないだろ?」
「夏のっ…背中っ…っ…~っ!もうっ…傷付けたくないっ…」
「ありがとう。でもね、雪。雪の方がもっと酷い傷なんだよ?」
すぐそうやって…俺の事ばっかり
夏が、ぎゅ~っと抱き締めてくる
「おっ…俺の傷はっ…治ってきた…夏のはっ……俺が居るとまたっ……うっ…もうやだっ…」
「違うよ、雪。雪のは…」
なんかまた…
夏の傷の話してるのに
そんなの忘れたみたいに…
「…これくらい全然平気だから…」
平気な訳あるか!
「夏がっ…俺のせいで傷付くのっ…やだっ…」
「ん…俺もだよ。雪の傷が、少しでも癒えるなら…こんなの何でもないよ。それに…雪が苦しいの…ほんの少しだけでも、分けて貰えてるみたいで嬉しい」
「苦しいのっ…貰って嬉しいの?…夏っ…変態?」
「誰が変態だ!雪の苦しいの、ちょっとでも共有出来て、それで雪が少しでも楽になるなら、嬉しいだろ。その役に必ず俺を選んでくれるのも嬉しい」
なんでっ…
怒れよ…
嬉しがるなよ…
「…っ…やっぱ…変態だ」
「雪…キスしていい?」
「…っ…変態じゃっ…ないのならっ…いい」
「変態のキスって何だよ…」
「知らないっ…!俺っ…夏みたいにっ…変態じゃないもん」
「あっそ」
「…んっ…んっ……はぁっ…ぁ…んっ…」
なんで夏のキス…
こんなに気持ちいいのかな
「…んっ…ふぁっ…はっ……んっ…んんっ…」
夏が…上手いの?
だったらなんか…ムカつく
「ふぁっ…はっ…んんっ……んっ…んはっ…」
どんだけキスしてきたんだよ
どんなキスしてきたんだよ
タラシの変態め
「んっ…んんっ?」
え?
待って…
こいつ…キスしながら
「…ふぁっ…んはっ……なっ…夏っ…」
「うっ……うっうっ…雪…」
「なっ…何で泣いてるの?!」
「ごめっ…」
は??
「ごめんじゃ分かんないよ!何?!何かあったの?昨日?学校?バイト?」
何?
さっきまで…普通だったのに
キスして思い出した?
「夏!泣いてちゃ分かんない!何?!誰?!あっ…!空閑?空閑にまた何かされたのか?!」
「ふっ…空閑…どんだけだよ…」
「あいつなら、やりかねない!夏…死守して欲しいけど…耳触られたらもう終わりだから…」
「終わりって何だよ」
終わりじゃん
誰に触られたって夏…
そいつに...しがみ付くじゃん…
夏の耳を触ると…
「…んっ!…ちょっ…!!」
「ほら、ちょっと耳触っただけで、こうだもん。夏なんか、何されたって抵抗出来ないよ」
俺以外にだって…
同じ反応する
「……夏…ちょっと仰向けになって?」
「ん?」
夏が仰向けになったので
キスマークを確認する
「…もう…薄くなってきてる」
「じゃあ、新しいの付けとく?」
なんで…もう笑ってんだよ
「付ける!」
「ふっ…頑張って」
だから…泣いてたろうが
「乗っかっていい?」
「いいよ」
なんで泣いてても優しい訳?
理由…言いたくない?
でも、とりあえず
しっかりマーキングしとかなきゃ
ん~…
ここだとマーキングの意味ない
けど、さすがにここは怒られる?
「ここだと…見える?」
「見えてもいいよ。雪の好きなとこにしな?」
「じゃ…じゃあ……ここは?」
「ふっ…何処でもいいって」
「うっ…イケメンぶんなよ!」
「イケメンぶるって何だよ」
「うるさい!黙ってろ!」
なんで、そんな余裕で優しく出来んだよ?!
誰かに見られたらどうすんの?!
色々聞かれるの嫌じゃないの?!
それも慣れてんのかよ?!
ムカつく!
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