雪side

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「高校の時の友達で…偶然会って……たまたま家が、この辺で……」 あれ… なんか、凄く出来過ぎな… 嘘っぽくなってない? 「俺が、荷物凄いからって、運ぶの手伝ってくれて…」 「……雪が、ここに住んでんの…知ってたんじゃないの?」 「え?いや…は?こんなとこ住んでんのかって、びっくりしてたし」 「……何とでも言えるじゃん。そんな都合良く、雪と出会える?自転車だって、腕引っ張る程じゃなかったんじゃないの?そうなるの考えて、勢い良く引っ張ったんじゃないの?」 そもそも俺が嘘吐いたのが悪いけど 俺だって出来過ぎな状況だと思うけど 「鷹瀬は悪くない。俺が嘘なんか吐いたから悪い。夏…自転車で怪我したばかりで…俺も自転車で怪我するとこだったって知ったら、凄く心配すると思って…適当な事言った。ごめん」 それって嫉妬でしょ? 空閑(くが)の事、ふざけてるだけだって、全然相手にしてくれなかったのに 「……ごめん。普通に妬いた。あと…心配になった…だけ…ごめん」 「うん…」 なんか…変な空気になっちゃった 「お昼ご飯作る!」 「おう」 夏の好きなイチゴと、生クリーム いっぱい使って 「旨っ!すごっ…旨っ!」 「生クリームの余りあるけど…」 「えっ♪︎…雪食べないの?」 「俺は、ハムとレタスとマヨネーズの方がいい」 「……マヨネーズ」 「え?」 「っ何でもない」 ああ…耳舐められたの思い出したのか 残りの生クリームを持って来ると 顔を赤くしながら 生クリームの入ったサンドに、更に生クリームを絞っている 信じられない… 「なんで夏…それで太んないの?」 「あむっ…んっ…毎日食ってる訳じゃないからな」 「でも、確実に俺より甘い物沢山食べてるよね?」 「んっ…んっ…若いからじゃね?」 世の中のダイエッターに殺されるぞ 食器を洗って ベッドのリネン取り替えたら一休み 「夏、ベッドで横になれば?」 「…雪も一緒に横になるなら」 甘えっ子か 「2時間位なら…いいよ」 「じゃ、行く」 「痛みは?」 「いや、そこまでじゃない。良くなってきてる」 明日、お昼までに、だいぶマシになってるかな 「っはぁ~…雪…ちゅっ……雪…ちゅっ…」 「………」 なんか… 横になった途端 ぎゅうぎゅう抱き締めてくるんですけど んで 髪やら…頬やら…目やら…鼻やら ちゅっちゅ ちゅっちゅ 酔ってるの?この人 俺は…どうすればいいんだ なされるがままでいいのか? 「夏、寝ないの?」 「……雪……」 「何?」 「タバコとか…大人の匂いする人…好き?」 「………は?」 「そういう…大人っぽい人の方がいいとか…」 「お前馬鹿なの?」 「馬鹿に…なってると思う」 何なの? 男はあり得ないのに、好きになってる時点で特別だろが 恋愛したくないって思ってんのに、しちゃうしかない位、好きだって言ってんだろが 「夏…俺と同じ髮質の人が居たら、好きになるの?」 「…は?」 「俺は、夏と同じ声で、匂いの人が居たって、好きになんかならないけど?タバコの匂いなんて、全然好きじゃないけど、好きだとして…じゃあ、そんなんで、その人の事好きになると思ってんの?」 「……思ってない…けど……今だって、雪からタバコの匂いする……気にせずにいられない」 「この馬鹿!離れろ!」 「え…?」 夏から離れて、シャツを脱いで ドアに向かって投げる 「そんなの気になってんなら、さっさと言え!分かりづらいと俺は、分かんないんだよ!」 「……あり…がと」 「何アホ面してんの?」 「いや…雪…男らしくて格好いいなと思って」 「馬鹿にしてんのか!」 「してない…ありがと…戻って来て雪」 何その嬉そうな顔 しょうがないから、夏の元に戻る 「ありがと…雪」 「うっ…んっ…」 服脱いでんだから あんまり、くっ付かないで欲しいんだけど 抱き付かれると 服が擦れる度 くすぐったいんだけど 「雪…明日からまた…居なくなっちゃうね」 「どっか行くみたいに言うな。大学とバイト行くだけで、毎日会えるだろが」 「うん…雪が1人で居るよりは安心なんだけどね」 「うっ…ごめん」 「雪…全然役立てられてないし、もう必要ないかもしんないけど…印…付けていい?」 役立てられてないし…か 昨日の惨状を見せてしまったからな ああいう時…そんなの見るとか 考えないもんな 「…好きに…すれば?」 「うん…」 「…んっ?…そこにっ…付けるの?」 「んっ…だめ?」 「いや…いいけど」 脇に近い胸の端 あんまり、そんなとこに付けようとか思わないけど ……とか、思ってたら 「はぁっ……なっ…夏っ……まだっ…~っ付けるのっ?」 「ん…だめ?」 「だっ…だめってか……俺がっ…限界っ!」 「そっか。じゃ、ここで最後にする」 何個…付けたの? 「…はっ…んっ………くっ…はぁっ…はっ…」 1個ずつが...長いんだよ 1回吸っただけでも、まあまあ付くよ? 何個も付けるなら、もういいんじゃない? 「んっ…!…夏っ…限界っ!」 ぢゅっ 「…はぁ~…雪…綺麗だね…」 「…はっ…はぁっ…はあ?」 「雪の白い肌に…赤い印…散らばって…綺麗」 「はっ……はあっ?」 馬鹿じゃないの?こいつ 男の体見て、何うっとりしてるの? パシッと、夏の目を覆う 「えっ?何?なんで?見せてよ」 「終わり」 んな顔して見られるのに 堪えられるか! バカ夏! 「寝る!寝ろ!じゃないと、向こう行くぞ!」 「分かったから、離してってば」 肝心な事は言わないくせに! 無駄な、こっちが顔から火が出そうな事はサラッと言いやがって! バカ夏!
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