夏希side

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「えっと…何から話せばいいかな…」 「結婚式って、幸せそう?泣いてたりする?」 「けっこう新婦さんとか、親は泣いてるよ?」 「ふ~ん?夏も泣く?」 「泣かねぇよ。ってか、スタッフが泣いちゃダメなの!」 「そうなの?喜ばれそうなのに」 「それよりも、皿取り替えて欲しい人居たら取り替えたり、飲み物足りない人に持ってったり…っていうのに気付かないとなんないの」 まあ… 泣きそうになる事は多々あるけど 「皆綺麗な格好して来る?」 「そうだな。男はスーツでいいけど、女の人は大変そうだな。髪も美容室でセットするらしいぞ?」 「スタッフなのに女の子に声掛けるのはいいんだ?」 「言い訳あるか!スタッフ同士で話して教えてもらったんだよ!」 「ふ~ん?可愛いスタッフ居る?」 「居るんじゃね?けっこうスタッフ同士で付き合ったりしてるし」 「夏は、付き合えなくて可哀想だね?」 「はあ?」 何? 分かりにくい嫉妬なの? 「可哀想ってのは、そうしたいのに出来ないからだろ?なんで雪と付き合ってんのに、可哀想なんだよ」 「付き合ってるのが俺の上…女の子に声掛けれないから」 「…それじゃ、雪を選んだ俺がおかしいみたいじゃん?」 「うん…いつも…そう思ってる」 「は?!いつも思ってんの?!失礼な奴だな」 「ちょっと…長めの夢が…明日には…終わるんじゃないかなって…」 ぎゅっと俺の服を掴んでくる 「終わってたまるか。すげぇ手のかかる、このツンデレ姫…他の奴になんて渡したくねぇし、雪の事何でも1番知ってるのも、1番力になるのも、俺じゃなきゃやだからな」 「…俺は…おかしいから……夏が…終わらせたい時……終わりで……いい…」 「あのなぁ……って、寝てるし。結局何の話なんだよ……あっ!」 そうだよ! そもそも録音する為に… 雪のスマホの録音を止める 「ったく、自分で止めてから寝ろよ」 「…ん~…」 体を動かした俺の胸に、しがみ付いてくる もう少ししたら、俺と寝てるのなんか忘れて、自由に寝るくせに 「ほんと…勝手な奴」 俺の声聞いたら、死にたい気持ち少しは収まると思ったのかな でも、1割でも残しとかなきゃ、これ聞く事も出来ないんだぞ? でも…ほんとに本気で思った時は…最後に聞こうとか思うかも…… 最後に…… もう1回、雪のスマホを手に取る 録画を押して、画面を伏せる 「雪…好きだよ……死なないで…死なないで雪っ…」 「…うゆさい…」 え? こいつ…! ブチッと録画を停止する 「今、すっげぇ大事なもの撮ってたんだぞ?!」 「……イチゴ…食ってろ…」 何でもイチゴで済ませようと思って! 「イチゴじゃなく、お前を食わせろ」 イチゴ大福みたいな頬っぺしやがって ちゅっ  「ん~?」 首に沿ってキスしていくと 「んひゃっ!…ふはっ…ん~!」 だからさ もうちょい可愛らしい声出せないの? こいつ、いざその時が来ても ずっとこんな声じゃないだろうな… ……まあ、それはそれで面白いか 服を捲り上げて、胸の真ん中辺りにキスをすると 「んあっ!やっ!」 ガシッ! え? 思いっきり、頭両手で捕まえられた ん? 止まった 無意識か 怖っ… せっかくちょっとはいい声出してくれたので そのままペロペロと舐めると 「ゃあ~っ!…ぁっ…~~~っ!」 あっ… これ… 俺の方がヤバくなるやつだ パッと雪から離れると 雪が…プルプルしてる 「雪…ごめん。ちょっとふざけ過ぎた」 え? 痙攣な訳ないよね? まさかのまだ寝てんの? 「雪?」 こっち向きになってる雪を、仰向けにして顔を上げると 「…んっ!…さっ…触ん…なっ…」 「え?」 は?! 何?! もう全身感じまくってる子にしか見えないんですけど?! 「な…なんでそんな事になってるの?」 「……うっ…知らないっ…」 「え?俺のせい?でも…だって今ので、そんなんなる?」 「…知らないっ…」 ふいっと、体を向こう側に向ける 可愛い過ぎてヤバい こんなん、襲ってもいいよの合図にしか見えん いや! ダメだろ キス以上は、しないんだろ? 落ち着け~~ 「雪…ほんとに女の子とヤれてたの?」 「…っ何の…話っ…」 「いや、こんなんで、そんなんなってたら、終わる頃には命尽きてるんじゃないかと…」 「ふっ…不意打ちっ…だからっ…」 「に、したってさ…なんちゅうか…重要なとこは全然触ってない訳で…」 「…っ…分かんないっ…ぐすっ…触られるっ…側じゃっ…ないもんっ…」 え~? 本気で泣き出した そりゃ、キスマーク付けるだけで、あんなんなるわ 「ごめん…そんなに感じる子だとは思わなかった」 「…っ…俺だってっ…知らないっ…」 「うん…これからは、ちゃんと言ってからにする」 「~っ…今っ…そういうのっ…言わないでっ…」 どんだけよ? さっきの思い出しちゃうの? くすぐったがりは、感じ過ぎの予兆だったか 「ごめん、雪…こっち向いて?」 「…無理っ…今っ…」 「いいから、こっち」 グイッと雪の体をこっちに向ける 「あっ!…やめっ…」 「うん。はい、ピッタリくっ付いて…手、邪魔。ピッタリだよ…そう。この方が落ち着くだろ?」 「……くっ付いてるっ…のにっ……なんかっ…大丈夫っ…」 「うん…そうだろ?」 それはね、雪 お前の妄想で、気持ちいいが続いてたからだよ 直接体くっ付けて、大丈夫だって思ったから、落ち着くんだよ ってのは、流石に今は可哀想なので そのうち教えてあげよう プルプルが止まった雪は、俺にピッタリとくっ付いたまま寝始め、俺もそのまま寝た
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