夏希side

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「っはぁ~。白峰さんか…」 そうだとは思ってたけど… だって…遺伝子入りまくってるもん 白峰さん… 何て言うかな… 何で気付かないフリしてたのにって…は言わないか 是非…名乗りたいって言うかな ずっと…言いたかったかな もう少ししたら行ってみよ さゆきって言ってた… そう言えば、自己紹介の時言ってたか ゆきは…雪なのかな おばさん…父親の名前… 雪に使ったのかな ピンポ~ン 緊張する… 何て言えばいいかな 雪の事で…話があります? あれ…居ない? ピンポ~ン 仕事なんだから 毎日同じ時間に居るとは限らないか 居ないな 会うタイミング… 今じゃないのかな… おばさん 結局、30分後にもう1度行ってみたけど居なくて 今日は諦めよう 「はあ~っ…何か緊張で…どっと疲れが…」 また明日、これやるのか いや… 雪はもっと緊張するんだから 「……寝よ」 雪に連絡をして 雪のベッドに横になると あっという間に眠りに就いた 明日…やっぱ... まだ…ゆっくりしてよ… なんか…あったかくなった… ちょっと…寝苦しい… 暑いのかな… 布団…剥ごう… 「あ、布団ちゃんと掛けとけよ」 あれ?雪の声… 雪…居るんだ 安心する… 帰って来た… ちゃんと… 「…おかえり…雪」 あったかい… あったかいけど… 苦しい… 苦しい…… 「…ぷはっ!…はぁっ…はぁっ…」 え?何? 凄い力で…雪の腕の中か! 「ちょっと雪!苦しい!ギブギブ!」 馬鹿力で抱き締めてくる 起きろ! この… なんとか腕を動かして、雪の服を捲り上げ 手の届く範囲を触ると 「んっ…ん~…んっ!」 声…出してるくせに 全然動かない! 「雪!力!強すぎだから!」 「…黙ってろよ…」 は? 起きてんの? 「雪!苦しいって!」 今度は反応なし? 服…捲って…捲って… 胸に顔を近づけて 動かせる範囲で… ちゅっ ちゅっ 「ふあっ!んっ!」 何で今日に限って… 早く力緩めろ! ちゅっ ちゅっ 「…~~~っやめっ…ろっ…」 お…ちょっとだけ、力緩んだ ちゅっ ちゅっ ちゅっ 「…~~っ…やっ…夏っ…泣くっ…やめろっ」 …え? 俺…泣く? 今、泣きそうだけど? 力…緩んだ! バッと雪から離れる 俺が泣くって… 誰か他の奴にされてる夢見てんのか? だから俺が泣くって? それは… すっごく嬉しい 俺が嫌がるから、やめろって 凄く嬉しい事… けど! 夢の中とは言えだ! 誰にされてた?! ムカつくな、そいつ! 俺の手柄?を勝手に全部持ってきやがって 今キスしてたのは俺だぞ! 雪を抱き締めて、耳元に口を近づける 「今のは夏…夏にキスされた」 「……ん…」 「夏がキスした…夏に気持ち良くしてもらった」 「……んっ…夏…ならっ…いいっ…」 「えっ…」 ちょっと…今のは… 結構キタ… 「……夏なら…いいの?」 「……くすぐったい…の…夏っ…だけっ…」 は? キスの話してたんですけど いま、くすぐったいのはいいんですけど ってか、あんなくすぐったいのに、俺だけな訳ないだろ 少し腰の辺りを触ると 「…んっ……夏っはっ…くすぐったっ…」 どういう認識なの? す~っと腹から胸を触る 「あっ!…やっ…なっ…夏?」 うっすらと…目が開く 起き…てる? 怪しいな 「夏っ…くすぐったいっ…のっ…」 「うん…起こしてごめん。でも…もう少しだけ…触らせて?」 話し方…寝惚けてんのか 背中触れないってなぁ… 胸全体を触ると 「はっ!…ぅあっ!…夏っ!」 俺の腕をガシッと掴んできたので、止める 「ごめん。ちょっと…触りたくなっちゃった」 「はぁっ…はぁっ…夏…」 あれ? 怒られると思ったのに… 俺の胸ん中に入って来た 熟睡雪だからな 寝惚けてんだ 「ごめん。おやすみ雪」 「…んっ…夏っ…」 「ふっ…寝惚けてても、俺の名前呼んでくれんの…嬉し」 「…夏」 「ん…雪」 「…なつ…」 「…雪…俺…上手く…話出来るかな…」 「……な…つ」 「ははっ…もう…いいよ」 雪の髪を撫で、キスをする 出来るかなじゃない こんなに奇跡みたいに おばさんが力貸してくれてんだ 出来る限りの事して… もしも…万が一… 雪にとって…悲しい結果になったとしても… いや… 考えるな 白峰さんだぞ? ちゃんと… 白峰さんとも…雪とも… 時間かかってでも 2人の気持ち聞いて タイミングが、今じゃないなら今じゃなくていい 絶対…悲しい結果になんてさせない 「雪…優しくて、頼れる父さんならいいよな?今までの事、許せなくたって…そういう存在…大きいよな?…絶対…会わない方が良かったなんて、思わせないから」 「ん……」 「雪…おばさん…ちゃんと見守ってくれてたよっ…雪っ…」 「…なつ……泣か…せた…」 あ… 「違うよ。ごめん。泣いてない。泣いてないよ」 「……なつ…」 「ん。寝てると超優しいじゃん…」 白峰さんと、普通に話せる日が来て おばさんの話とか2人で、笑いながら出来る様になったら この優しい雪…戻って来る? もう…死ぬ為に生きて 毎日、自分の顔…壊したいって思わなくなる? それまで… まだまだ雪は辛くて苦しいから もう頑張って欲しくないのに、頑張るしかないから 「雪…」 頭をよしよしと撫でて 背中をポンポンとする もう…すっかり疲れてるから 少しは休める様に… 「雪…」 いっぱい休ませてあげたいけど 止まると雪は… 死ぬ事ばっか考えちゃうから 寝てる間だけは せめてゆっくり休んで いい夢、見れます様に… 「雪…」 雪が好きだと言ってくれた 俺の声が ほんの少しは役に立ってます様に… 「雪…」
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