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なんだか…何もする気にならない
ソファーに横になったまま
どの位経ったのか
ピンポーン
……誰
ゆっくりと体を起こす
夏…何か荷物頼んだの?
すっかり暗くなってた
ピンポーン
「…は~い」
玄関に向かいながら返事をすると
「こんばんは~。白峰です」
あ!
イチゴ…
玄関の電気を点けてドアを開ける
ガチャ
「こんばんは、白峰さん」
「こんばんは。良かった。家違ったら…どうし……」
また、2袋手に持った白峰さんが
驚いた様に俺の顔を見る
あ!
しまった
マスク忘れてた
「…ゆ…雪君!…どうしたの?!その顔…」
白峰さんが痛いのかって顔で
心配そうに聞いてくる
「あ…ちょっとトラブルに巻き込まれちゃいまして…」
「ちゃんと…病院で見てもらった?」
「……はい。傷浅いし、大丈夫みたいです」
「……そのトラブルは、解決したの?」
「はい。勘違いだったって、分かってもらえたので…」
「その……それ……それは……その……」
?
白峰さんが何か言いたそうにしている
「あの…何か?」
「凄く失礼な事聞いてすいません。あの…その怪我は、柊崎君とは、関係ないですか?」
「………え?……関係ないです。夏は、その人達の事、見てもいないです」
「そ……そうですかぁ~…良かったぁ。昨日の朝…なんかちょっと揉めてる感じだったから…」
白峰さんが、その場にしゃがみ込む
そうだった
見られてたんだ
「白峰さん?」
俺もしゃがむと
「すいません。一緒に住む位仲のいい友達を、疑う様な事言ってしまって…」
「いえ…でも、そっか。そうですね…そんな風に見られるかもしれないですね?気を付けます」
白峰さんが、そっと俺の左頰に触れる
「…笑って…痛くないですか?」
「全然。俺、だいぶ痛みに強いみたいで」
「……口は?…中…切らなかったですか?」
「喋ってる途中で殴られたので、思いっきり切りました」
「……ご飯食べるの…大変ですね…」
「?いえ…そこまでじゃないです」
「ほんとですか?」
あんまり心配そうなので
「こんな感じです」
い~っと唇を裏返して見せると
「…っ!こっ…これ…ご飯食べれてるんですか?」
「はい。お昼もイチゴ食べました」
「…今日は…柊崎君は?」
「まだバイト中です」
「イチゴ…もう腐っちゃいそうで、持って来ちゃったんですけど…」
「ありがとうございます。夏が喜びます。昨日行けなくて、すいませんでした」
「……いや。実は俺も昨日はちょっと用事があって……」
そうだったんだ
そう言って立ち上がる
?
なんで、イチゴの袋渡してくれないんだろ?
「あの…結構重いし、中まで運んだら迷惑ですか?」
凄く心配そうな顔
全然大丈夫なんだけど
「全然持てますけど、迷惑じゃないのでどうぞ」
そう言うと、とても嬉しそうな顔をした
「お邪魔します」
「どうぞ」
あっ…
リビング真っ暗だった
電気を点けると
「もしかして寝てましたか?!起こしちゃいました?!」
「いえ。ちゃんと寝てた訳じゃないので」
「すいません。凄く喜んでくれてたし、そろそろ食べないと…と思って……」
「はい。今日は、取りに行こうと思ってました」
そう言って冷蔵庫を開ける
「夏、全部食べちゃったので。ここに入れてもらっていいですか?」
「あ、はい。家も冷蔵庫も綺麗にしてますね~」
「俺は、普段あまりバイトで居ないので、ほとんど夏がやってるんです」
バタンと冷蔵庫を閉めて
「その怪我で…休んでるんですか?」
「俺は行けるんですけど、流石にこの顔じゃ無理かなと思って…」
「……あ!ご飯!ご飯ちゃんと食べました?」
「ご飯…ああ、すっかり忘れてました。なんか適当に食べます」
「シチューは?!」
「え?」
「シチューで良ければ、食べない?!」
なんか…
凄い必死過ぎて…
「じゃあ、頂こうかな」
うわぁ…
すっごく可愛い顔になった
大人だけど
「まっ…待っててね!」
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