雪side

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雪side

ん… なんか…甘い匂い… これは…何だっけ? …イチゴだ イチゴは…もういいよ 昨日の晩だって食べたんだから... あ... 夏呼んで来よう あいつ無限に食べれるから あれ? 夏の匂いだ ちょうどいい所に 「夏、食べて」 「いいの?」 ? 「いいよ」 イチゴくらいで何言ってんの?こいつ ウザっ 「何処から食べて欲しい?」 は? ウッザ! 何なの? 頭イカれたか? 「好きなとっから食べればいいだろ」 「じゃあ…ここから食べようかな…」 は? 「ちょ…ちょちょちょ…ちょっと待て!」 「待てない」 待て! 食べるのはイチゴだ! 俺じゃな~~いっ!! パチッ ……え? は? 夢? 夢?! 俺……なんっちゅ~夢見てんの? キモッ! 自分の夢に吐きそう ん? あ、そっか昨日夏と寝たんだった こいつが全身からイチゴの匂い漂わせてるせいで…あんな夢! つまり、こいつのせいだ! 後で、耳の刑だな す~ す~ 寝てる けど、俺の背中と頭ホールドしたまま ちょっと…動いてもいいかな そ~っと そ~っと 夏の腕から出ようと 少し体をずらすと 「…ん~…」 ちょっと~! 絞め過ぎ! 更にホールドされた どんだけだよ! 「…雪……」 起きた? 「何?」 「…左…ダメ……」 「いや、左向きじゃなくて...」 「…雪の顔……」 え? 「…ふっ…可愛い...…」 はあ?! チュッ 頭にキスされた! 「…傷………」 す~ す~ まさかの…寝言?! こいつ…寝惚けてあんな事言ってんの? キスして? どんだけだよ?! 絶対タラシだ 女に慣れてる だって俺、こんな事しないぞ?! 負けてるみたいで悔しいなクソッ! なのに… う…嬉しいとか… 思ってしまう俺のどうしようもない脳ミソ 誰かどうにかしてくれ! せっかくなら夏の寝顔見たいのに どうにか抜け出せないかな 下はさっきだめだった いっそ、このまま左向いてみるか 動け……ない… 馬鹿力 じゃあ上だ 夏の腕ごとでもいいや 上行ければ顔見れる んしょ んしょ シーツを蹴り… 夏のシャツ掴んで… 頑張れ俺! 「…ん…ん~…?」 え? 「わっ…わっ…」 体ごと上に上げられた ちょっと… 「んっ...」 体上げてくれたから 夏の寝顔見ようと思ったら なんか色々触りだした! 「なっ…んっ...ちょっと、なっ…ぁ…!」 左手は髪やら耳やら首やら 右手が最悪 腰、腹、背中! 背中ダメだっつってんだろが!! 「…くっ…そっ!…んっ、ぅ~っ…」 これ… 信じらんないけど まだ寝てやがる とにかく…起こさなきゃ 「っ?!んぁっ…!」 クソッ! 力…入んない… 夏の耳…すぐそこ… 頑張れ~~~っ!俺!! 「…ゃあっ…!」 夏の声がして 夏の手が止まって 夏の右手が、耳を触ってる俺の手を掴んだ 「………雪…おはよう」 「…はっ…はぁっ…はぁっ…おっ…おはようじゃっ…ねぇんだよ!」 呆けてやがる 「雪…どうしたの?なんか…目潤んで...凄く可愛い事になってるけど…?」 こいつ~~~っ! 夏の寝顔が見たい そんな、些細な願いを叶えさせず 俺の決死の脱出作戦を阻止して 散々やった挙げ句 そのセリフ?! 蹴飛ばしてやりたい!! なのに… そんな嬉しそうに 幸せそうに言われたら… 近づいてくる顔に… 目を瞑るしかなくなる このすっかりイカれた俺の脳ミソ 元のと取っ替えて欲しい 「んっ...夏、色んなっ…はぁっ…んんっ…」 「…色んな?」 夏が一度唇を離す 「色んなっ…とこっ…触んな!」 「じゃ…触っていいとこ教えて?」 「はっ?」 「色々触りたくなっちゃうけど、雪が嫌なとこは触んないから、教えて?」 マジか、こいつ 「なっ…なんでっ…そんなっ…顔から火が出るセリフ…普通に言える訳?!」 こっちが恥ずいわ! っつ~か! 俺、雪だからね?! 昨日までお前の親友だった奴! いや、今も親友でもあるけど 急にそんな事言える様になる?! 「ふっ…雪の顔赤っ…なんで雪は、この位でそうなっちゃう訳?」 「お…お前みたいにタラシじゃないんだ!」 「…ひっど…俺、そんな風に思われてるんだ」 「え?…いや...だって...」 「俺…浮気した事ない…でも……恋愛は…苦手だから…嫌な事…ちゃんと言って欲しい」 って… 今のは、ふざけたノリだったろうが! 突然真剣に悩むなよ 「だから!夏のせいじゃないって!今までの恋愛全部、自分のせいでダメだったみたいに言うな!まだ、彼氏2日目だけど、今んとこお前は…け…結構いい彼氏…だと思うけど?」 何言っちゃってんの?俺 よし、退散だ ガバッと起き上がってベッドから降りようとすると 後ろから抱き締められた 離せよ 恥ずかしさで死にそうなんだよ 今死んだらお前困るだろ?! 俺も困る 「雪…抱き締めててもいい?」 何なのこいつ 何なのこいつ 「イチイチ聞くな!」 「だって…分かんない…」 「お前…彼女に触んのにイチイチ聞いてたのかよ?!」 キモッ 何プレー?
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