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Prologue
果たして、平穏且つ平和に生きている一般庶民の人間のどれくらいの割合が人生の中で怪しい黒服の男達に追われる羽目になる事態を予測出来ているというのだろうか。
少なくとも茅野七瀬はそんな自体は人生26年間で1度も予測、否想像すらしたことは無かったといえる。
普通するか? しないだろう。
夜も更け込みきった真っ暗な人通りの無い閑散とした道で、人が俯いてしゃがみこんで居たりなんかしたら良心のある人間ならば、一声くらい掛けたくもなる。
しかし、それが危機感のある人間だったらば時間も時間だ。怪しんで向かいの道路に渡り、なるべく関わらずに避けるなりなんなりするだろうが。
現状を推測する限り、少なくとも七瀬は良心どころか人の良い、損するタイプな前者の人間だったのだ。
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