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何か衝撃を感じたきがする。
しかし凄く安心出来る香りも感じる。
そのような場所で敵襲などあるわけ無いのだが…。
「…んっ、…さんっ! もう紅さんってば!! 」
コウサン?降参?
やはり何か起きているのか?
俺の知る限りの言語の音だと、その単語しか浮かばない音なのだが。
「紅さん! 起きてください!! そんな所でお菓子食べながら寝るのはだめです!!! 」
ああ… 君か。俺は寝ぼけているのか。
「降参ではないのか」
「え?何に降参するんですか?寝ぼけてます?」
不意に呟いた俺の発言を聞き逃さずに捉えた七瀬は不思議そうに首を傾げ、何処か憐れむように見つめてきた。
「あ…いや、こちらの話だ。なんでもない」
起き上がって伸びをすると手からポロっと何かが落ちた。
目で追えば、どうやら寝落ちる前に食べていたクッキーのようだ。
「ああーー…もう、寝ながら物食べちゃだめですよ。……起こす前に手から取っておけばよかった…」
「すまない、まさか寝てしまうとは思わなかったんだ…別に問題無い、食べれば問題ない」
そう言って俺は屈み込んで四つん這いになり、床に落ちたクッキーの欠片を拾って食べた。
そしてこぼれた粉も舐めようとすると、襟首を後ろに引っ張って床から引き剥がされた。
襟が首に食い込んでちょっと咽せたんだが。
「ちょ……っと!? そんな事しろなんて言ってないですし望んでません!! てか落ちた物食べちゃだめですから!!! 」
何か物凄く焦っているようだ。
「食べ物が落ちてしまった事を嘆いていたのでは?だから食べたら問題無いではないか」
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