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七瀬の太腿の辺りに背中を擦り寄せてみれば少し首元を撫でてくれた。
心地良いな。
嬉しくて見上げると興味津々なようにコチラを見つめている七瀬の瞳とバチリと目が合った。
「あ、紅さんの時と瞳の色も同じだ! でも犬のほうが金色がもっと光ってるかな? ふふ、本当に狼っぱい」
そういって更に顔を近付けてきて瞳を覗き込まれる。
なんだか人の姿の時よりも距離が近いな。
警戒心が薄くなっているのか?
中身は先程の俺と全く同じなんだが。
「俺この瞳の色好きだなぁ… キラキラしてて吸い込まれちゃいそう、なんつって…… あはは」
気に入ってくれていたのか。
怯えているように感じていたが、まああの時は俺も少し感情的になっていたせいかもしれないが。
俺の瞳を夢中になって見つめている七瀬の顔が鼻先の辺りまで近付いてきて、さすがに近過ぎるんじゃないかと焦りはじめてくる。
「ウ"ゥ"〜〜ン」
控えめにだがちょっと唸って意思表示をしてみる。
近過ぎる接触やスキンシップは止してくれと言ったのは君だぞ。
「どうしたの?何か変な所触っちゃったかな?…… 犬は飼った事無いから俺わかんないや…」
あくまでも犬扱いか。
この姿でも俺は襲えるんだからな、人の姿で襲われるより危険なんだからな。
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