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「ん?なんかよそよそしいなぁ…… いや院長に叱られついでにパシられてなぁ」 そう言って脇に挟んでいたハガキや封筒を見せた。 ああ、本当にパシられている…。 「そう、ですか…… 気をつけて行ってきてくださいね」 「ゆうてそこのポストまでよ! ははは、そんでそこのお兄さんは?新規さんか何か?」 そう言って中津は紅さんのほうを振り向くと、こんにちはーと呑気に挨拶している。 紅さんのほうは無言で見つめたままだが。 「いや、彼はちょっとした知り合いで」 「そうなん?あーー! 七瀬の彼氏?だから朝帰りで遅刻なんかぁ、いやー七瀬もそんな事あるんやなぁ」 ちょっとちょっとちょっと……!飛躍し過ぎ! 焦りから体の体温が一瞬にして上がった気がする。顔もすんごく熱いような… 手で頬に触れてみれば、ホラ熱い。絶対いま赤いじゃん、恥ずかしい。 「ち、違うから!ほんとただの知り合いです!てか失礼になるのでそんな事軽々しく言わないでください!!」 この無神経な男に対し必死で対抗した俺に紅さんからの視線が突き刺さる。 ああ、紅さん怒ってるかも…。 俺の焦りも知らずに中津は紅さんに近付いて行き、上から下までジロジロと見つめている。 それをまた無言で中津の事を見つめ返している紅さんが何だか恐ろしい。
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