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どうか、このお馬鹿な同僚が彼の琴線に触れるような発言をしませんように……。 「君か?この服の持ち主は。薄っすら残っている匂いと、君が近付いて来たときの匂いが同じなんだが」 またそうやって変な事言う。 普通のひと匂いとか言わないです紅さん……。 「あ、それ確かに俺のと同じ服やん!忘れてたわ……。え、てか匂い?俺くさいって事?」 えーー…と不満を漏らしつつ自分の襟元を嗅ぎだす中津。お馬鹿で良かった。 「着替えが無かったから拝借させてもらった」 そう言った紅さんの発言をどう捉えたのかは考えたくもないが、中津の顔がさらにニヤついた。 絶対いまロクでもない事を考えているに違いない。 「そうかそうか!もう忘れてたくらいやし、それそのまま着て貰っててええよ!サイズもちょーどピッタリやん」 そう言ってケラケラ笑いながら、馴れ馴れしく紅さんの肩を叩く中津にまたもヒヤヒヤさせられる。 もう早く行ってくれ、お前院長のお怒りをかってパシられ中じゃなかったの…。 「ん?でもちょっと肩の辺りキツそうか?お兄さん鍛え過ぎやってー!あ、七瀬こういう人がタイプやったん?」 またそういう話に戻るー! 「だから違うって!タイプも何も無い!紅さんは昨日知り合ったばかりのひとだし、そんなんじゃないから」 「でもお前の家で服借すような仲になったんやろ?」 しつこい。無駄にしつこい。いつもは馬鹿なくせに何なんだ…… 。
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