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抵抗を示したところで見るからにやばそうな見た目をした彼には勝てそうには無く、自らの体は既に悲鳴を上げていた。
どうせ追われている身だ。捕まればどうなるかなんて分かりきってしまっている。
七瀬は決心し、大人しく彼の背に体を預けた。
ソッと首に腕を回し、せめて落下しないようにと彼にしがみついた。
「よし、行くぞ。しっかり捕まっていてくれ」
「お、お願いします…」
そう言ってスクッと立ち上がった彼は成人男性1人を背負っているとは思えない程身軽に立ち上がり走り出した。
しがみついてる腕から感じる肉体も鍛えあげられている体躯なのは明らかだった。
一体どういう人なのだろうか。
こんな怪しげで軍人のような鍛えあげられた体躯の人が、追われている自分の前に都合良く現れて更に助けてくれるとは到底思えない。
どう考えてもおかしな状況だ。
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