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上には上がある。と言うと天上天下であり、我が天下ならば、天上人には逆らうな。と言う百戦錬磨の教えでしょうか。百戦を経た武人は天災に苛まれるのではないでしょうか?一戦一戦もっと大事に出来なかったものかと、死に際に思うのです。「よっ!稲藤(いなふじ)じゃんか!元気にしてたか?」敏嗣比古さんが現れました。私を稲藤と呼び捨てる敏嗣比古さん。私の家系図を上人から譲り受けたのか。未だ見ぬ私の血筋が稲藤と呼ばせるのか…。「はっ!私は単に前世の記憶が色濃いまでか…。敏嗣比古さんありがとう!!私は今、稲藤三郎太(いなふじさぶろうた)なんですね?」いやはや、三郎太ですらないやもしれない衝撃的な事実。敏嗣比古さんはしかし、かなり場の悪い表情を浮かべています。「いなふじ→いなとう→INATOO→OOTANI→大谷なんよ。面白くないか?三郎太。」メモ紙に記された稲藤への経緯。私は関係ないのではないでしょうか?大谷ではなく柊谷三郎太(ひいらぎやさぶろうた)ですもの。「フシューッ!フシューッ!」私は息も絶え絶えに興奮していました。「まぁ待てよ…柊谷も大谷もケツに谷付くだろ?面白いだろ?」敏嗣比古さんは真顔で私を啓し、私は暑気に当てられ、ぶっ倒れてしまいました。
-完-
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