6.嫉妬のあまり……

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 彼女の膝頭が俺の硬くなったカラダに触れる。  このまま擦り付けたいところだが、必死に耐えた。  なのに、何度も夏依の膝が触れてきて、さすがにわざとだと確信した時、潤みきった入口からゆっくりと指を挿し込んだ。 「あ……」  夏依の膝が伸び、背がしなる。  何度か抜き挿しして、様子を窺う。 「は……っ、う――」  恍惚とした表情がたまらなくいやらしくて、つい夢中で指を動かす。 「だ……めぇ」  夏依の声は低い方だ。  落ち着いた話し方をするせいもあるが、一般的に女性にしては低い方だと思う。  だが、こうしてベッドで身悶える彼女から発する声は、普段からは想像できないほど高くて、いつもはしないのに語尾が伸びたりもして、そのギャップを知っているのが俺だけなら良かったのにと思わずにいられない。 「しの――さ――」  顔の横のシーツを掴み、涙を流しながら俺を呼ぶ声は、鼓膜さえも性感帯にさせる。 「気持ちいいか?」  聞いてから、ハッとした。  セックスの最中に気持ちいいかを聞くなんて、慣れてない男のすることだ。  男なら女の反応を見てわかれ、女の演技を見抜けと、大学の先輩が酔って力説していた。  まぁ、当人はそのすぐ後にフラれてたけど。  だが、当時はまだ経験も少なかった俺は鵜呑みにし、以来、セックス中に女にこの問いをしたことはない。  なのに、なんで今聞くかな!  夏依が相手だと、どうも調子が狂う。 「気持ちイ――」  ほら、まただ。  この状況で気持ち良くないなんて答えるわけがない。  そうわかっているのに、気持ちいいと言われて嬉しい自分がいる。  チョロ過ぎだろ、俺! 「あんっ! も――」  指がきゅうきゅう締め付けられ、夏依の腹や太ももがビクビクと痙攣した。  夏依が気持ちいいなら、いいか。  俺は締りのない口元を見られないように、上体を起こして意気揚々と服を脱いだ。
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