6.嫉妬のあまり……

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 夢中でキスをしながら、シャツのボタンをひとつずつ外してゆく。  気持ちは急くのに、彼女の素肌を暴いていく時間が長く感じて仕方がない。  このひと月、よく我慢できたものだと自分に感心しながら、最後のボタンを外し終えると、その手をシャツの内側に滑り込ませ、インナーをスカートから引き出す。  更にスカートのファスナーを探り当てて、小さなつまみを握って下ろした。  が、下りない。  以前から思っていたが、女性の服はセックスの時に男性をイラつかせるデザインが多い。  ボタンやファスナーが小さかったり、隠れていたり、更に小さなフックがついていたり。  ボタンがあると思ったらフェイクだったり、頭から被るタイプと思いきや脇にファスナーがあったり。  そして、俺が今格闘しているのは、脇にファスナーがあるロングスカート。  とにかくつまみが小さい上に、なかなか下ろせないし、恐らくフックがついている。  腰のファスナーなら両手を使えるが、脇となると片手で対処しなければならない。  しかも! 左手で、だ。  これは、俺への試練なのか、それとも拒否られているのか。  いや、須賀谷対策だったのでは!?  須賀谷がソノ気になって暴走しても、簡単に脱がせられない構造のスカートを選んだと言うなら、評価したい。  いや、スカートなんだから脱がせなくても……。  そもそも、自分に気がある男と食事に行くのに普段はあまり穿かないスカートを選んだことはいただけない。  が、脱がせているのは俺なわけで……。  キスをしながらファスナーと格闘し、さらにこんなことを考えている自分の余裕さに驚くが、実際にはファスナーは下ろせないし、キスも漫ろな状態だ。  よし! 諦めよう。
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