2.出会い

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 テレビ画面から漏れる明かりに照らされて、目の前の瞳が鈍く光る。  渡辺はこちらを見上げながら言った。 「入れば?」  ドアに手を掛けたままで、俺は囁くような声で答えた。 「いいの?」 「どうぞ」  二人掛けのソファに寝そべるようにして寛いでいた渡辺は腰を起こして端の方へと退けた。  俺はおずおずと反対側の端の方へと腰掛ける。 「これ、あれだよね……脱獄するやつ」 「そう。ショーシャンクの空に」  渡辺の横顔がテレビの青白い明かりに照らされている。  俺はソファの上で落ち着きなく身じろぎする。 「子供の頃に施設で観たことあるんだ」 「施設?」 「俺、変種だからさ」  渡辺は机の上にあったリモコンを手に取る。 「まだ観始めたばっかだから、巻き戻すわ」 「いや、別に良いよ」  肩をすくめながらそう言うが、すぐさま映画はまた冒頭から再生を始めた。
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