2.出会い

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 記憶をなぞるようにしながら、俺は画面に釘付けになっていった。  当時はまだ子供だったから内容はよく理解できてなかったけど、高校生となった今では映画に込められた思いが理解できた。  エンドロールが流れ出すと、俺はこっそり袖口で涙を拭った。  狭いソファの上、暗がりの中で舞う紙吹雪がキラキラと光を反射する。 「……ごめん」 「いや、別に。良い映画だよな」  答案用紙差し出す時みたいな何てことないって仕草で、渡辺は俺にティッシュの箱を手渡してきた。  エンドロールの余韻に満たされているせいか、互いに無言でいてもまったく嫌な感じがしない。  本当に不意に、胸の奥がふとほつれたみたいに話してみたくなった。 「あのさ……」  
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