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掠れる俺の声を聞いて、ソファの肘掛けに肘を置いて渡辺がひとつ瞬きをした。
膝の上にティッシュ箱を乗せると、俺は俯きながら自分の生い立ちについて話し出した。
兄に連れられて病院に行くと、いきなり『スノードーム症候群』だと告げられたこと。
子供時代の大半を変種専用の施設で育ったこと。
中学時代は『変種は感染する』という噂のせいで辛い思いをしたこと。
あれもこれも打ち明けた。
こんなこと誰かに話したのは、生まれて初めてだった。
くしゃくしゃに丸めたティッシュを握りしめながら、いつの間にかチャプター画面に切り替わっていた画面を見詰める。
僅かにソファが揺れたのを感じると、暗い室内で渡辺の声がぽつりと言った。
「姉貴が前、ここの生徒だったんだ」
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