2.出会い

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「むしろそっちは辛くなんないの、俺のコレ見て」  俯きながらそう続けると、少し間が空いてから渡辺が言う。 「辛くない。それどころか、ちょっと慰められた気になる」 「なぐさめ?」 「うん、なんか、うまく言えないけど」  はらはらとまた紙吹雪が舞い始める。  俺は慌ててそれを掌で受け止めようとした。 「ごめん、不謹慎だよな」  早口にそう告げて舞い散るそれをかき集めていると、そっと目の前に大きな手が差し出された。  掌の上に、紙吹雪が鈍く煌めきながら舞い落ちる。 「気にしなくていいから、本当に」  今までの慰めや社交辞令とは違うと、なぜかそう思えた。 「また来てもいい?」  ぽつりと呟くと、紙吹雪を握った手を降ろして渡辺が小さく笑った。 「いつでも」
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