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3.映画同好会
我が校の映画同好会は、部員のその大半が幽霊部員だ。
顧問さえついていない映画同好会にゆらりと入部した渡辺は、放課後にレンタルショップから借りてきた映画のDVDを部室でひとり気ままに鑑賞していたらしい。
「今日はなに観んの?」
「ガタカ」
「……アクション映画?」
「違うよ」
渡辺はなぜか不敵な笑みを浮かべテレビの下に備え付けられているプレイヤーにDVDを挿入した。
初めて観るその映画は風変わりなSFものだった。
スーツを着て宇宙へ行く絵面がなんともシュールで面白い。
「変わった映画だけど、俺は結構好き」
「良かった。浦野なら気にいるかなと思って」
「こんな風にさ、誰もが夢を追える世界になっていけたらいいよな」
空になったポテトチップスの袋を二つ折りにしながら言うと、渡辺は短く「だな」と返事をした。
机の上に投げ出されている黒い袋に手を伸ばす。
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