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エピローグ
その日、坂崎家は朝からバタバタとしていた。
今日は次男、真の小学校入学式だ。
家族全員で出席するため、今日は朝から大騒ぎである。
ずいぶんとのびた木は、小柄な女性くらいの高さになっていた。浩介はその木を見て思わずつぶやく。
「満開か」
そう、満開なのだ。
「全く。結婚記念日には少ししか咲かなかったくせに」
文句を言いつつ、思わず笑ってしまう。
「それじゃあ、いってくるよ」
指で白い花を揺らし、浩介は家族と部屋を後にした。
白い花はしばらく揺れていた。まるで、手を振るかのように…。
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