フラッシュバック

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 しかたないしかたない。僕はナヨナヨしてたし、一般に男子が得意だとされているものは、総じて苦手だった。  あんな芸能人みたいな伊坂くんが、僕に話しかけてくれるだけで、満足…… 満足しなきゃならなかったんだよね。  笑われて、バカにされて、キモいだの、トロいだの言われたけど、それでも憎めず、時々話しかけてくれることが嬉しくて、むしろ好きな気持ちは増えていったような気がする。伊坂くんの姿が見えているだけで幸せだったんだ。  そうだ。こんなこともあったな。伊坂くんの誕生日が6月だとわかった時、僕はお小遣いをはたいてボールペンをあげたんだった。
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