猫みたいに鳴かない猫

2/4
前へ
/6ページ
次へ
いつも夜だった。 その日は、昼だった。 何度かあの奇妙な猫に会った、小径の向かいの公園。 鳩の群れ。 驚くなかれ、その中心に、かれが居たのだ。 ぷるるる… ぷるるる… ぷるるる… ぷるるる… ぷるるる… ぷるるる… ぽっぽー… ぷるるる… もう、はらたいらさんにぜんぶ!くらいのぷるるる。 ああ、そうか。 夜と昼。 違うのは、人間だけじゃ、ないね。 君は鼻っ柱立てて、なんだかご機嫌に見える。 鳩の王。 きみの奇妙な鳴き声は、聴き分けられない。 そんなきみを、少し嫌いになった。 実は、いつか連れて帰りたい。 ずっと一緒に。 そのぷるるるを、聴いていたい。 夜のきみは、僕とふたり。 だから。 こんな風だと、思わなかった。 きみは、幸せだ。 僕とは、釣り合わない。 そんで、僕は、夜に逢うきみが、好きだった。 ワンクリックで応援できます。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加