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亀甲石
何もかもがうまく行かない。
誰も、居ない。
忙しく日銭を稼ぎ、何もやりきれないまま冷たくなって眠る毎日。
悪いことしか起きない。
僕は少しばかりの気晴らしに、車を走らせた。
行き先は隣村。
山のてっぺんに、亀の甲羅みたいな網目模様にごつごつした大きな岩がある。
亀甲石と呼ばれるそれは、ここまで来なくても村の何箇所かで見る事が出来る。
ここまで見に来る者はほとんど居ない。
いただきものの一升瓶。
ここで呑んで、寝てしまおう。
どうなったって構うもんか。
金はない。
魚肉ソーセージも高くなった。
一本かじりかじり、ラッパ呑み。
酔えば良い夢見れるさ。
岩にもたれ、ただ呑んだ。
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