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「疲れた……」
帰りの電車に乗りながら私はぼそりと言った。彼氏は大丈夫? と言いながら労ってくれる。超鈍感なせいで振り回されたが、やっぱり彼のこういう気遣いの出来る優しさは心をほっとさせる。私は彼の肩にもたれて少しだけ眠った。髪を乱し化粧は崩れていたせいで周りはひそひそ話していたが気にならない。
──あんな、経験したあとお色直しなんかやる気起こるかっっ!? あんたらも経験してみるかっっ!!──
なんて思いながら眠った。今日はひとまず彼の部屋で休ませてもらおう。ゆっくりお風呂で疲れを流そう。いっそこのひしひし感じちゃうものも流れてくれればいいのに……。
ビクッ!!
「──!?」
なんか寒気がした。微かに感じるこれは何? これはいつも感じる程度のものだがそれは慣れたせいで流せるのになんだか……。私は周りを見渡したが特にこれだというものがない。
──強い恨みにあてられてちょっと敏感になってるのかも──
そう思いながら深い眠りについた。
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