教えてくれる? 弐

4/8
8人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
「何言ってんだよ。今日はおかしいよ。よっぽど疲れたんだね」  彼氏の言葉は無視だ。私は青ざめた。成仏できるかもって消えたはず。それが……あの女が私を見てる見てる。それって恨めしい顔なの? おかしいでしょ?   ──やっぱり呪い殺しに来た!? あぁ、あのドラマや映画でほっとさせてハッピーエンドかと思わせた瞬間、効果音でびびらせながら絶望感に落とすやつ!? 私やっぱり終わったんだぁ!!──  女はうすら笑いを浮かべてる。彼氏を見ると……やっぱり気づかずニコニコしてる。ほんと幸せ者。私に分けてよ。あぁ……羨ましい。こんな能力なんていらないのに。どうせなら呑気に死にたいわ!! 「ほら休みなよ」  ──だからこんな時に……スケベ心は死亡フラグだから!!──  靴を脱ぎ私を招き入れようとする。だめだ彼氏の力はこんな時、本当に強く感じる。終わった終わった終わった。扉は自然と閉まる。今回は彼氏は気にしない。当たり前だ自分の部屋だから。女は待ってる。逆に私が近づいてる。いやだ帰りたい。帰りたい。 「帰る帰る帰る」  じたばたする私を彼氏は抱き抱える。  ──何男らしいとこ見せてんのよ!! 私は本気で帰りたいのっ。この鈍感! 少しは気づけ!!──
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!