8人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
もう目の前にいる。ニタニタ笑ってる。私はもう気絶しそうだ。彼氏はニコニコしてる。もしかしてこいつらグルか!? 私を騙そうとしてるのか?? そうだ! きっとそうだ! 私は生け贄だっっっ!!
「待ってたわ」
女は私の顔を覗き込む。血の気が引いた──
「怖い怖い怖いっ──」
私は目を瞑った。もうだめだ。お父さんお母さん先立つ、違う先立たされる不幸をお許しください。
「ねぇ……あなたに聞きたいことがあるんだけど……」
「は、はい、な、なんでしょう??」
私はもう鳥肌マックス状態だ。
「どうしたの? やっぱり今日はおかしいよ」
「だから、その優しさは今は封印してろっ!」
彼氏は私がおかしくなったと思ってる。あんたの鈍感すぎるところがおかしすぎるのよっ!!
あのぽっかり空いた目で顔を近づけてくる女。
「ひぃぃぃ──」
言葉にならない叫び声をあげる。
「ねぇ、あの小説、実は続きがあるんでしょ?」
「──!? はい?」
「ほら、あれってシリーズもんでしょう?」
確かにそうだ。続きがある。確かに小説自体はあれで終わるが真実は次回作だ。
「そうですけど……」
私は目を強く瞑りながら答えた。
──なんで最後の事件なんて言いながら、これが本当の最後の事件だ! なんてタイトルにするのよっっ──
最初のコメントを投稿しよう!