教えてくれる? 弐

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「どうしたんだよ! 本当に。今日はおかしいよ」  疲れて放心状態の私を彼が抱き締めた。 「へっ!?」  私の顔は汗と涙と鼻水でくしゃくしゃだ。 「やっぱり心配だ。なぁ俺と一緒に暮らさないか?」 「えっ!? こんな時に何言って……」 「前から思ってたんだよ。なぁ、結婚しよう……今日どうしても言いたかったんだよ」  彼はそっと指輪を差し出した。このために私を帰したくなかったのか? 私は頭が混乱している。さっきまでの恐怖を返して──いやいや違う、それは返さなくていい……。  ──あぁ、お色直しがしたいっっ……今ならやる。疲れててもやる!! 恐怖なんてくそ食らえだっっ!! ── 「そんな何、言ってるのよ?」  今度は嬉し涙が……って!?  視線を感じる。振り向くとドアの隙間からあの女の影が……。 「返事はちょっと待ってて……四秒後にするからっっ」 「えっ!?」  彼氏を尻目にずかずかとドアに近づき思いきり閉めた。 「覗くなっ!!!!」 〈了〉
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