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新しい風も吹いたけど、今となっては逆風に……
お父様はズーンと沈んでいて涙目だ。
「兄上は利益を得るためならなんでもする。以前から、俺を通さず取引はしないほうがいいと忠告していたはずだ」
「申し訳ない……」
どうやら、レジェス様からも止められていたらしい。
「しかし、民は喜んでくれた……」
お父様が言うように、誰もが楽しめるスパイスと茶葉は当たり前のように使用され、あっという間に広がった。
レジェスの兄は広まるのを待っていた。
オルテンシア王国全土に行き渡り、生活に馴染んだ頃、一気に取引価格を上げたのだ。
需要を高めるだけ高めて、値上げしたため、儲けも大きかったことだろう。
そして、味をしめてさらに値を釣り上げる。
――まるで時限爆弾みたいな罠。
倍の値段で取引し、値上げ分を利益にする。
レジェスの兄たちは、オルテンシア王国から搾取した利益で富を得て、王位継承戦を優位にするつもりだ。
与えられた領地を豊かにさせた王子が、次のアギラカリサ王になるから、どんな汚い手だって使ってくる。
「かわいそうなお父様! なんて卑怯なの!」
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