12 二番目じゃない私に

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「シモン先生です」 「そのシモンにな」  お父様に覚えてもらおうと、シモン先生の名前を繰り返した。 「よかろう! アギラカリサ王宮へルナリアをつかわせる!」  お父様の心は決まったようだ。  でも、なんだか恩着せがましい。 「レジェス殿下。ぜひ、マーレア諸島の人間をこちらに紹介していただきたい」 「ああ。いい結果になるよう願っている」  レジェスはうなずき、二人は握手する。  これで、私のアギラカリサ王国行きは決まった。  ――オルテンシア王国以外に行けるなんて、思ってもなかったわ!    それも、アギラカリサ王宮へ行ける。  もしかすると、アギラカリサの巫女に、私の闇の力を封じてもらえるかもしれないのだ。  私が喜んでいると、セレステが近づいてきて、優しげな笑みを浮かべた。 「お姉様……?」  笑顔なのに目は笑っておらず、とても不気味に感じた。 「ルナリア。レジェス様に迷惑をかけないようにね」 「はい……」  あまり喜ぶ姿をセレステに見せると危険な気がして、後ずさった。 「えっと、お姉様……。アギラカリサへいってまいります」
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