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私たちが王都に入り、王宮へたどり着いたのは陽が落ちた後だった。
でも、アギラカリサ王都は賑やかでとても明るい。
――オルテンシア王国より栄えているから、夜も明るいし賑やかね。
商人たちの行き来も多い。
王宮から見える美しい都の夜景を眺め、前世を思い出し、しんみりしてしまった。
けれど、そのしんみりした気持ちは長く続かなかった。
なぜなら――
「レジェス、遅かったね。やっと着いたのかい?」
「お前は生まれてくるのも遅かったが、到着ものんびりしてるな」
「俺たちからのプレゼントは楽しめたか?」
アギラカリサ王宮の出迎えは、王子たちの挨拶から始まった。
レジェスの三人の兄で、お父様を罠にはめた血も涙もない王子たちである。
「暗殺者の腕前はどうだった?」
「お前に味方する連中が何人か死んだか?」
なにこの会話……
まさか暗殺者をレジェスにプレゼントしたって言ってるの?
まだ王宮の中に入ってもいないのに、きつい先制パンチを繰り出してくる三人の兄。
レジェスは慣れているのか、気にする様子はなく、余裕の顔で笑みを浮かべている。
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