2 優しい幼馴染み

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 私が生まれた国、オルテンシア王国。  その公爵家の一人息子であるフリアンは金髪に青い瞳を持ち、童話の中の王子様みたいな容姿をしていて、すごく紳士的。  『君の醜い嫉妬にはうんざりだ。婚約を破棄させてもらう!』    でも、最終的にはルナリアを捨てる。  隣国の大国、アギラカリサ王国の王子レジェスは黒髪、紫色の瞳をし、異国風の服装をしていて、どこか野性的。 『俺の婚約者の命を狙うなどと、不届きな賊め!』  ルナリアはレジェスによって捕らわれ、真っ暗な牢屋に放り込まれた。  正反対な二人だけど、共通しているのは七歳上の十二歳だということと、ルナリアを裏切り捨てるということ!  ――今まで平気な顔で会ってきたけど、『二番目の姫』を思い出した後じゃ、まともに二人の顔を見れない(恐怖)! 「あれ? ルナリア? 人見知りかな?」 「いつもなら、菓子をねだるのにどうした?」  フリアンは優しく頭をなでてくれ、レジェスは私のためにアギラカリサ王国の甘い砂糖菓子をくれる。  ――優しい。  二人が優しいのは知っている。  だから、ルナリアもフリアンを愛したし、レジェスを尊敬していた。
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