14 レジェスの婚約者

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 三人はお互いの顔を見、首をかしげたり、天を仰いだりしている。  いわゆる『反応に困る』という空気。 「おい、レジェス。お前、頭は大丈夫か? 本気でどうかしているぞ」 「王になる気がないのか?」 「次にアギラカリサ王宮に顔を出す時は、婚約者となる者を連れてこいと、父上に言われていたはずだ」  ――こっ、婚約者~!?  そんなこと聞いてない。  レジェスを振り仰ぐ。  フリアンとシモン先生も同様にレジェスを見ていた。  レジェスは胸の前に腕を組み、にやりと笑った。 「言ってたな」 「レジェス様。婚約者って……」  私がレジェスの婚約者なんて聞いてない。  王宮に入るための嘘だとしても、無理がある。  ――だって私は十二歳! こんな嘘、苦しすぎるっ! 「俺の婚約者としてルナリアを父上に紹介する」  誰もが『そんなバレバレの嘘をついていいのか?』という顔をしていた。  私もそう思う。  レジェスの服をつかみ、懸命に背伸びする。  私のほうへ屈んでくれたので、ようやく耳に届いた。
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