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ティアは自分が余計なことを言ったと気づき、慌てて口をつぐんだ。
いくら親しいからといって、小国のオルテンシアがレジェスの結婚相手を決められるわけがない。
当然、口出しする権利もなく、レジェスの結婚相手を決められるとしたら、アギラカリサ国王のみだ。
「冗談を言い合っている場合ではない。兄上たちを見ただろう? 兄上たちは俺を苦しめ、殺したくてしかたがない」
「噂どおり難しい方たちだったね」
――難しいっていうレベルじゃないわ。あれはもう狂犬よ!
噛みつき方が致命傷。
もうレジェスを完全に殺しにきてる。
そもそも、危険なのはあの三人の王子だけじゃないのだ。
最強のボスはアギラカリサ王だろう。
どう見ても、あの威圧感はただ者ではない。
オルテンシア王国に数年かけて仕掛けた罠など、まだ可愛い方で、侵略されなかっただけマシ。
アギラカリサ王がブチギレたら、侵略上等、王国滅亡、王家や貴族は全員抹殺……ぶるっと震えた。
自国の繁栄のためなら、どんなことだってやる王しか王になれない。
一番凶悪な王子が王になってきたアギラカリサ。
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