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――必死になるわよね。王になれなかった王子は冷遇され、最悪殺されるっていうし。
今は領地を与えられて優雅に暮らしている王子たちだけど、王位継承戦が終わったら、どうなるかわからない。
惨めに暮らすのが嫌なら、王になるしかないのだ。
「ティア。レジェス様は私を守ろうとしてくれてるの。フリアン様も。だから、心配しないで」
「……はい」
三人の王子を見た後では、やはりレジェスが王に選ばれてほしいと思う。
小説『二番目の姫』では、レジェスの未来がわかる描写はなかった。
アギラカリサ王家の優秀な王子が、セレステと婚約したとだけ書いてあった。
物語がストーリーどおり進むなら、レジェスはやがてセレステと婚約する。
でも、それはまだ四年後のこと。
「ティア、お願い。ティアも協力して。これがうまくいけば、オルテンシア王国が得る利益は大きいわ」
ティアは私を見て涙ぐんだ。
「ご立派になられて……。ずっとルナリア様が努力される姿を見てまいりました。ですから、必ずうまくいきます!」
「ええ。そうだといいけど……」
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