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もし、私がマーレア諸島との外交を失敗すれば、お父様は二度と私の話を聞いてくれず、外交も任せないだろう。
お父様だけじゃない。
周囲の人々もそうだ。
『やっぱり二番目の姫』
『セレステ様が一番』
『でしゃばらず、おとなしくしていろ』
なにを言われるか想像がつく。
そして、私はオルテンシア王国の外に出るチャンスはなくなり、冷遇される。
――でも、最悪、マーレア諸島との外交が失敗しても、死なずにすむ方法がひとつだけあるわ。
『闇の力を暴走させないこと』
ルナリアが死んだのは、闇の力を暴走させたのが原因だ。
闇の力をどうにかすれば、死を免れることができる。
――そう。アギラカリサの巫女に会って、力を封じてもらうのよ!
せっかくアギラカリサ王宮にいるのだから、このチャンスを逃すわけにはいかない。
アギラカリサ王宮の奥には、力を封じる巫女がいるのだ。
――巫女に会うためにも、みんなには早く眠ってもらわないと!
「みんな、おやすみなさい!」
にこっと笑って、ベッドに潜り込む。
フリアンは剣を手にしたまま、ソファーに寄りかかっていた。
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