15 これはまさかの牢屋行き?

6/12
前へ
/314ページ
次へ
 もし、私がマーレア諸島との外交を失敗すれば、お父様は二度と私の話を聞いてくれず、外交も任せないだろう。  お父様だけじゃない。  周囲の人々もそうだ。 『やっぱり二番目の姫』 『セレステ様が一番』 『でしゃばらず、おとなしくしていろ』  なにを言われるか想像がつく。  そして、私はオルテンシア王国の外に出るチャンスはなくなり、冷遇される。  ――でも、最悪、マーレア諸島との外交が失敗しても、死なずにすむ方法がひとつだけあるわ。   『闇の力を暴走させないこと』  ルナリアが死んだのは、闇の力を暴走させたのが原因だ。  闇の力をどうにかすれば、死を免れることができる。  ――そう。アギラカリサの巫女に会って、力を封じてもらうのよ!  せっかくアギラカリサ王宮にいるのだから、このチャンスを逃すわけにはいかない。  アギラカリサ王宮の奥には、力を封じる巫女がいるのだ。     ――巫女に会うためにも、みんなには早く眠ってもらわないと! 「みんな、おやすみなさい!」  にこっと笑って、ベッドに潜り込む。  フリアンは剣を手にしたまま、ソファーに寄りかかっていた。
/314ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1202人が本棚に入れています
本棚に追加