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「うん。おやすみ、ルナリア」
同じベッドで眠ればいいのに、フリアンは律儀にソファーを選び、レジェスは私の隣にごろごろ転がっている。
「ルナリア。腕枕してやろうか?」
「けっこうです」
「子守唄は?」
「眠れないので歌わないでください」
レジェスは不満げな顔で私を見る。
――これって、レジェスがお兄ちゃん役をやりたいだけじゃないのっ!?
「レジェスは末っ子だからね……」
フリアンはレジェスの行動に呆れていた。
「もっと甘えていいんだぞ?」
「レジェス様、おやすみなさい」
いいから、さっさと寝てほしい。
私に冷たくあしらわれたレジェスはしょんぼりしていた。
――早く眠ってもらわないと、巫女を探しに行けないわ。
パーティーは明日で、それが終われば、王宮から追い出されるかもしれない。
だから、私が巫女に会うチャンスは今晩だけだと思う。
しばらくすると、部屋はしんっと静まり返り、私が眠るまで見守ろうと椅子に座っていたティアは、旅の疲れもあってか眠ってしまっていた。
ティアは疲れているのに、朝まで寝ずの番をするつもりだったのだろうか。
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