15 これはまさかの牢屋行き?

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 ベッドから出て、そっとティアに毛布をかけた。 「ティア、いつもありがとう。大好きよ」  ぎゅっとティアを抱きしめた。  私のお母さんみたいなティア。  私には家族らしい家族はいなかったけど、ティアがいてくれることで、どれだけ救われているかわからない。    ――シモン先生もそう。私は恵まれているわ。  私はティアたちを失いたくない。  眠るレジェスとフリアンの顔を見る。  二人とも今はすごく優しい。  セレステと幸せになっても、他の女性と結婚しても、私は大好きでいられる――だから。 「私を嫌いにならないで……」  ――私はレジェスとフリアンの幸せを祝福できる。  私が闇の力に目覚めても、今までどおりの優しい二人でいてほしい。  私の願いはそれだけだ。  全員、眠っているのを確認し、扉の取っ手に触れた。  音をたてないようにそっと部屋を抜け出す。  廊下には燭台、部屋の前にはランプが吊るされている。  夜の王宮は不気味で怖いけど、暗くないのだけが救いだった。 「巫女がいるのは、ここより奥ってことよね」  走ると私の小さな足音が廊下に響く。
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