15 これはまさかの牢屋行き?

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 廊下の向こうから兵士が見回りに来るのが見え、慌てて庭に隠れた。  兵士が行ったのを見計らって、庭から出ようとすると、異国の香りが漂っていることに気づいた。 「この香り……?」  花の香りとは違う。  香りを探し、草むらから顔を出すと、そこには黒髪に黒目の異国風の男性が立っていた。  日に焼けた顔と鍛えられた腕。  髪と腰に巻いた布は絹の薄布で、派手な飾り剣が見える。  飾り剣は戦うための武器ではないとわかったから、この人は暗殺者ではない。  でも、身なりから察するにこの人は――    「マーレア諸島の方ですか?」 『子供……?』  彼が話した言語は、マーレア諸島でもっとも裕福な部族、クア族の言葉だった。  ――きっとギラカリサ王のお客様よね。マーレア諸島を優遇してるから。王宮に泊めてもおかしくない。  でも、ここは王宮の奥である。  身内のレジェスならともかく、外国のお客様が泊まるなら、別の場所にするはずだ。 『なぜここにいるのですか?』  クア族が使うマーレア語で問いかけると、彼は驚き、身を引いた。  子供だと思って警戒していなかったのだろう。
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