15 これはまさかの牢屋行き?

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『闇夜なら忍び込みやすいが、賊が入れぬよう王宮中をランプが照らしている』 『それで、こんな明るいのですね』 『アギラカリサは恨みを買いすぎなのだ。侵略した異民族の力を封じ、国を支配できぬようにする』    ルオンは巫女の存在を知っている。  ――まさか知っていて、殺しにきたとか? 『支配できなくなった王家は滅びるだけだ』 『お言葉ですが、ルオン様。特別な力に頼り、まともな政治をしない国は滅びるだけです』  オルテンシア王国がまさにそうだ。  光の巫女の出現に頼り、国のためになにができるか考えようとしなくなった。 『お前はレジェスと同じことを言う』 『レジェス様とは友達なのですか?』 『そうだ。あいつだけが、この国で唯一、血が通っている人間だ』  ルオンがレジェスの名を出した時、どこか親しげな様子だった。  私だけでなく、レジェスはアギラカリサによって、苦しめられている人を助けているのだ。 『こんな出会いでなかったら、もっと話したかったが……』  ルオンは王宮の奥を気にしている。  なにか気配を感じるようだ。  ――誰かが来る。
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