15 これはまさかの牢屋行き?

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 王宮の奥でルオンが見つかれば、罰せられるかもしれない。  こちらが気配に気づいているということは、向こうもすでに気づいていると思っていい。 『ルオン様。私がなんとかします。逃げてください』 『……悪い。恩に着る』  ルオンは暗闇に紛れ姿を隠して去っていった。  そして、私の前に現れたのは―― 「ルナリア。どこへ行くつもりだ?」  怖い顔をしたレジェスだった。 「レジェス様……」  王宮の奥を目指していたことはあきらかで、兵士たちをやりすごし、隠れていたのもバレている。 「そこから先に行けば、罰を受ける。俺であってもな。わかっているのか?」  ――すごく怒ってる。  アギラカリサの巫女は異民族の力を封じる大事な役目を持つ。  異民族から恨みを買い、巫女は命を狙われているため、近づくことは許されない。  許可なく立ち入れば、王子であるレジェスであっても重罪である。 「ごめんなさい……。巫女に会いたかったんです」  レジェスに嘘をついてもわかってしまう。  それなら、いっそ正直に言ったほうがいいと思った。  けれど、今の私は小説『二番目の姫』のストーリーと同じように、牢屋へ放り込まれてもおかしくない状況だった。
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